研究テーマ3:異常発生に関するデータ流通基盤の開発研究

リアルタイムで被害の全体像を把握するため、様々な異なるICT/シミュレータを連携動作させ、異常を把握・予測するためのサイバーフィジカルシステムの研究開発です。

 

減災オープンプラットフォーム“ARIA”の研究開発

世界各地で頻発する水害リスクを削減するため、減災オープンプラットフォーム“ARIA”を開発しています。ARIAは従来、個別に運用されている水害の被害解析に関するシミュレータやシステムを、融合させてひとつのシステムとして運用するサイバーフィジカルプラットフォームです。

ARIAは、次のような特徴をもっています。

■複数の異なるシミュレータ、システム間でデータをインタラクティブに交換できるため、災害時のリアルタイムな人や車の動き、冠水、情報通信等の相互影響を導出し被害を予測
圧倒的に高速に予測結果を導出できるため [1市町村あたり~数日→ARIA:5分程度]、これまで難しかった被害の全容把握・予測ができ、氾濫予測、避難タイミングなど最適な防災対応策の検討へ活用可能
■降水量や河川水位の観測網、現在利用されているシミュレータ、システムとも容易に連携でき、全国1718市町村で現在の観測データに基づいた被害予測・避難誘導に即時利用可能
■台風の他、猶予時間の少ないゲリラ豪雨などすべての水害でのリアルタイム被害予測や過去の水害データを利用した訓練などへの活用が可能

現段階では、ARIAの構想のひとつである複数シミュレータ/ICT間でのデータ流通を可能とするアーキテクチャが完成し、デモシステムでの実証を行なっています。今後、より精度の高いシミュレータやシステムを組み込んで、より実世界の現象を再現するプラットフォームとして構築し、リアルタイムな被害予測システムや災害テストベッド、訓練システムへの活用を目指しています。